幻の希少魚 淡路島サクラマスのヒミツ

2017年3月、卓越した養殖技術で、全国にその名が知られるブランド食材「淡路島3年とらふぐ」を生み出す南あわじ市・福良の海に誕生した「淡路島サクラマス」。その誕生を受けて、淡路島の食材を知り尽くした地元のホテルや宿、飲食店の料理人たちが腕をふるい、サクラマスが一番美味しい時期である3月.5月に味わえるご当地グルメプロジェクトが同年に同市でスタートした。

ヤマメが川から海へ下り、海で育つことにより銀化したサクラマス。天然物のサクラマスは「幻」と呼ばれるほど稀少で、養殖の専門家の間で「サケ・マス類の中で一番美味しい」と言われるほどその身の美味しさには定評がある。食通に好まれ、料亭などで珍重される高級魚だ。

サクラマス

ご当地サーモン「淡路島サクラマス」とは

「淡路島サクラマス」が生まれた福良湾の恵まれた海域環境に加え、誕生から常に養殖技法をアップデートし続けることで、天然物とひけをとらないほど上質なサクラマスに育て上げてきた。「ご当地サーモン」にはトラウトサーモン系種が多く、臆病で養殖が難しいサクラマスは希少だが雑味のない上品な甘味・旨味は別格だ。生産者も増え2019年には島内全域でサクラマスを味わえるようになり、淡路島を代表する春のブランド食材となった。2020年には「淡路島3年とらふぐ」とのコラボメニューが誕生。そして、2021年にはお店の個性を最大限に活かせるように「こだわりの逸品」がカテゴリーに追加。島食材と競演する多彩で個性的な春の創作料理を料理を満喫して。

サクラマスフィレ

1.養殖サーモン(サケ・マス)の種類

  • ①アトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)

    北アメリカやヨーロッパの北大西洋沿岸各地に広く分布。原産地では近年はその資源量が激減し、日本には養殖ものが鮮魚で輸入される。

  • ②トラウトサーモン(ニジマス)

    原産地はアラスカからメキシコ北西部にかけての北米大陸やカムチャッカ半島。19世紀にヨーロッパに移植。国内では最も多く養殖され、普通のものより成長が早く、大型になるドナルドソン系と呼ばれる改良品種が利用される。

  • ③ギンザケ

    北太平洋のほぼ全域に広く分布し、多くはオホーツク海、ベーリング海沿岸の河川に遡上。日本沿岸の遡上は少ない。

  • ④サクラマス(ヤマメ)

    日本でマスと呼ばれてきたものは本種であることが多い。黒い模様(パーマーク)があり河川で過ごすものはヤマメ、銀化して降海するものはサクラマスと呼ばれる。従来、瀬戸内海はサツキマス(アマゴ)と呼ばれる亜種が分布。

2.なぜサクラマスなのか?

  • (1)サクラマスは春の魚

    桜の咲く季節に漁の最盛期を迎えるので、この名があり、ひな祭りに食べるなど、食文化上も重要な魚。山形県などではハレの日のごちそう。 トラフグに続く春からハモの始まる夏までの間の新たな特産品が欲しい淡路島にピッタリ!

  • (2)サクラマスは美味しい

  • 生で食べるとトップクラスの味。天然ものは寄生虫の危険があるので水揚げしてすぐに冷凍するが、旬の時期は脂があり、あまり 味が落ちない。 身がしっとりとして脂が甘く、上品な味わい。切りつけて美しい。富山県の名物「ますのすし」の古くからの原料 。 養殖 の サクラマス は 生 でも食べられる。高鮮度 &急速 冷凍で美味しさをキープ!

  • (3)福良湾 はサクラマスのふるさと

  • サケ・マス類は冷水性の魚で、サクラマスの飼育可能な水温は-1~20℃(適水温は6~14℃)。 福良湾は、鳴門海峡の影響で潮流があり水温が低いため、 サクラマス は身が引き締まり、長い期間養殖でき、大きく美味しく育つ!

サケ、マスとは?

かつて「サケ」は標準和名のサケ(シロザケ)、「マス」はサクラマスのこと。
混乱の始まりは、明治時代になり英語が入ってきたとき。英語では、淡水と海を行き来するものは「サーモン」、淡水だけで暮らすものは「トラウト」とするが、日本語に訳すとき前者をサケ、後者をマスとしてしまった。
その後、新たなサケの仲間が流通するようになると、これも混乱の原因に。北洋のベニザケもギンザケも、古くはベニマス、ギンマスと呼ばれていたが、いつの間にかベニザケ、キンザケに(標準和名に)。
さらに、海と川で呼び名が変わるものもあり(海での呼び名(川での呼び名))。サクラマス(ヤマメ)、ベニザケ(ヒメマス)、アメマス(イワナ)。

参考図書 「食材魚貝大図鑑1」(多紀保彦、武田正倫、近江卓ほか。平凡社)
「月刊養殖ビジネス2016年4月号、2017年5月号」(緑書房)
「すし図鑑」(藤原昌隆。マイナビ)
「からだにおいしい魚の便利帳」(藤原昌隆。高橋書店)

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